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経絡からみた病因と養生法(1)

故増永静人先生は、病因と養生法を経絡的に分類し、以下のように記しています。

(1)気滞(肺、大腸) (2)水毒(腎、膀胱) (3)瘀血(心、小腸)
(4)食毒(肝、胆) (5)労倦(脾、胃) (6)外邪(心包、三焦)

気滞(肺、大腸経の滞りが原因)
漢方でいう気は「宇宙の気が体内に入って経絡を流れる」という解釈になっています。
この解釈からみれば「病気は人間生活の停滞」を意味しているわけです。

活気、生気とは呼吸のことでもあって、肺は生命活動の根本である組織呼吸の決済器官になっています。
呼吸停止が、生命にもっとも早く危険をもたらすことは、酸素供給がいかに重要であるかを物語っています。

呼吸法を取り入れた健康法はたくさんありますが、肺に出入りする空気だけでは、いきいきした状態は保てません。
なぜなら大腸の停滞が、悪臭のあるガスをだします。
この決済を呼吸に関係させることを忘れているからです。

精神的に鬱気があるとため息がでますが、腹ふくるるわざも放屁の原因です。
「はればれとした深呼吸」と「こころよい排便」を、毎朝おこなえるような生活が、健康への第一歩でしょう。
つまり気滞にたいしては、正息が養正法になるわけです。

{参考文献} 増永静人著 「家庭でできる指圧」