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ぎっくり腰

私事で恐縮ですが、先日はじめて「ぎっくり腰」を体験しました。

 

その日は、一月末の寒い日でした。

いつもと変わらず、午前中の診療を終え自宅に戻ろうとしたとき、買い物帰りの妻と二歳の娘が整体院に迎えに来ました。

いつもと同じように娘を抱き上げたとき、左の骨盤(仙腸関節の周辺)のスジが「グリグリ」と音をたてたように動くように感じました。

その瞬間、激しい痛みでしゃがみこんでしまいましいた。

全く動けないわけではありませんが、かなり痛みが強く、午後からの診療ができるか不安でした。

そして運が悪いことに、その日は昼休みに往診の予約までとっていたのです。

 

そこで妻と娘を先に帰し、自分の治療にとりかかることにしました。

証(どのスジが原因か)をとってみると小腸経でした。

あまり時間がなかったので患部周辺、お腹、大腿の小腸経を手早く圧し、骨盤(仙腸関節)の動き良くすると、いくらか動けるようになりました。

しかし、座っていて立ち上がろうとする際、腰が伸びるまで一分程度かかる有様で、とても治療が効いたとはいいがたい状態です。

しかも立ちあがる際「ウッ」を声が出るほど痛いのです。

それでもそれ以外の動きは「だましだまし」出来たのと、患者さんの前に立つと気が引き締まるからなのか、往診と午後の診療はきちんと行うことができました。

 

自宅に戻り、自分の研究も兼ねて本格的に治療にとりかかりることにしました。

自分の状態を客観的にみると、経絡の歪みはたいして深くないように感じました。

そこで、しっかりと経絡治療を行えば、劇的に改善するはずであると思い、証をとるところから再び始めました。

証はやはり小腸虚(全身を通っている小腸のスジに痛みの原因がある)でした。

繰り返し、患部周辺、お腹、大腿の小腸経を丁寧に圧したのち、整体院ではできなかった背中の小腸経を圧し始めました。

 

横向きの状態で、手が届く範囲で小腸経を圧していくと、ある一点で他とは明らかに違う「ズン」と響く感覚がありました。

その瞬間、「ココだ!」と確信めいたものを感じました。

その周辺を丁寧に圧していくと、患部に響きが起こり始め、痛みが「スー」と引いていくように感じられました。

ますます確信を得て、五分程度丁寧に圧したのち立ちあがってみると、患部周辺に若干の痛みは残っているものの、痛みは劇的に改善されています。

勿論、座った状態からスッと立ちあがることができるようになりました。

経絡指圧をきちんと行なえば症状は改善することが実感でき、うれしい気持ちと同時に「もう少し自分の身体で研究したかった」と少し残念な気持ちもありました。

 

その後2~3日で腰の違和感もなくなり、治癒しました。

その後は痛むことは全くないどころか、調子が良いくらいです。

今回、「柔道整復師(整体師)がぎっくり腰になるのはどうかな?」と思う反面、痛みの発生から治癒まで文字通り体験でき、生きた勉強ができたと思います。

そして経絡指圧の効果も実感でき、今後も益々精進する必要を感じました。

でも、あの痛みはつらいものですね。