経絡は全身を隈なく通っています。
もちろん頭にも隈なく通っています。
全身の経絡はつながっていますので、頭の経絡が滞ることで身体のどこにでも影響を与える可能性があります。
にもかかわらず足腰など下半身の治療には、頭の経絡は軽視する傾向がありました。
先日、60代の女性が来院しました。
主訴は、「足腰がだるく力がはいらない。」とのことでした。
もう何年もそのような状態ですので、時間がかかってもしっかり治したいということです。
早速、下半身を中心に全身の虚(力のない)の経絡を整えていきました。
週1回のペースで数か月治療を続けると、足腰の経絡に力かついてきました。
そのうえ健康診断の数値も改善し、一石二鳥のはずでした。
しかし本人の自覚ではまだ「足腰がだるく力がはいらない」状態が続いているとのことです。
そこで脳の誤作動や機能不全を疑って、頭の経絡を丁寧に治療してみることにしました。
頭を圧すと「強い違和感」を感じるポイントが多々あります。
「特に強い違和感」を感じるポイントを中心に丁寧に治療していきました。
患者さんも痛かったり、頭に響いたりと感ずるものがあったようです。
一通りの治療が終わり、患者さんに立って頂くと明らかに立ち姿が違いました。
今までは「一生懸命立っている」という感じで、腰を落とし踏ん張って立っているようでした。
ところがこの時は、余分な部位に力が入らず、真っ直ぐに立っていたのです。
姿勢が良くなったので、ずいぶん背が高く見えました。
本人も「しばらく感じたことがない感覚で、とても楽。」とおっしゃっていました。
次週来院された際に聞くと「治療後1~2日は凄く楽だった。こんなに楽なのは何年振りかなぁ。」と喜んでいらっしゃいました。
その後治療を続け、頭の経絡のより深い歪みを整えることで、益々改善に向かっています。
現代のストレス社会では、頭の経絡が滞っている人は増加しています。
当然、「脳の誤作動、機能低下」による身体の不調も増加していくものだと考えられます。
頭の経絡を整えることは、これまで以上に重要になってくるはずです。